世界的造園家 中根金作が手掛けた庭園、継承へ 住民や市職員、維持管理のポイント学ぶ

 湖西市新居・中根庭園を研究する会(吉元洋美会長)はこのほど、世界的造園家として知られる中根金作(1917~95年、磐田市出身)が湖西市内で手がけた庭園などの維持管理法を学ぶ会を同市で開いた。金作の長男で中根庭園研究所(京都市)所長の中根史郎さん(72)らを招き、文化的価値の継承に向けてアドバイスを受けた。

中根金作(中根庭園研究所提供)
中根金作(中根庭園研究所提供)
中根金作が手掛けた露天風呂の維持管理について助言する史郎さん(中央)=湖西市新居町の老人福祉センター
中根金作が手掛けた露天風呂の維持管理について助言する史郎さん(中央)=湖西市新居町の老人福祉センター
中根金作(中根庭園研究所提供)
中根金作が手掛けた露天風呂の維持管理について助言する史郎さん(中央)=湖西市新居町の老人福祉センター

 金作は足立美術館(島根県)や米・ボストン美術館の作庭などで知られ、湖西市内でも旧新居町の依頼で80年ごろから40以上の景観事業に携わったとされる。数十年が経過し、維持管理が難しくなっていることから勉強会を企画し、会員や市職員ら約20人が参加した。
 造園家として国内外で活躍する史郎さんと金作の孫の行宏さん(43)とともに、金作が設計や整備に携わった老人福祉センターの庭園と露天風呂、新居文化公園などを見て回った。
 史郎さんは手入れや修繕の仕方を助言し「植物は変化するので、時代や地域に合った樹木を植えていい」と指摘。「人口6万人ほどのまちでこれだけの施設を維持するのは大変」とし、クラウドファンディングで費用を賄うことを提案した。
 同センターを所管する市高齢者福祉課の担当者は「文化的な価値があるので守っていきたい」と話した。史郎さんは「地域のために有効に活用してほしい。石組みを残してもらったら父親も喜ぶと思う」と期待を寄せた。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞