記者コラム「清流」 「共助」見直すきっかけに

 台風15号の大雨により静岡市清水区で発生した大規模断水では、同区内の自宅でも1週間ほど影響があった。駿河区の温浴施設に行くと、清水区民と思われる人たちが多くいた。非常時だからか、知らない人同士でも会話をしている様子が印象的だった。
 「給水所に生活用水を取りに行けなくて困っていたけど、近所の農家さんがトラックで運んできて、浴槽いっぱいにためてくれたの」。話しかけてくれた高齢女性はそう語り、「あなたたちも大変だけど、頑張ってね」と自分と娘を励ましてくれた。
 人と人とのつながりが薄れていると言われて久しいが、やはり非常時に「共助」は欠かせない。言葉のやりとりだけでも心が和むこともある。
 平時から自分が地域で何ができるか考えておきたい。

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