記者コラム「清流」 国体取材で感じたこと

 栃木県で開催された国民体育大会を取材した。ひたむきに競技と向き合う選手の姿はもちろん、競技後でも嫌な顔一つせず丁寧に取材に応じる姿勢にも感銘を受けた。
 特に印象に残った出来事がある。ボクシング競技を取材中、話を聞いた選手から「僕、新聞に載るんですか?」と声を掛けられた。そうだと答えると「すごい!うれしいです!」と続けた。その選手は高校生。なじみが薄いはずの世代の彼が新聞に掲載されることを喜んでいることに驚いた。
 身の引き締まる思いがした。自分は彼に応える記事を書けただろうか。彼だけでなく、直筆の手紙で感想を送ってくださる読者もいる。こうした気持ちに報いることができる仕事をしたい。改めてそう思った。

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