記者コラム「清流」 現場負担少ない旅行支援を

 全国旅行支援が始まった直後、2年ぶりに京都市を観光した。前回がらんとしていた八坂の塔の前には、記念撮影を楽しむ着物姿の若者や修学旅行生、外国人観光客。駅の売店にはお土産を求める長蛇の列。「2019年の続きが始まった」と感慨深かった。
 一方、制度の運用には違和感を覚えた。多くの宿泊予約サイトの予算が早々に尽きたため、直接予約しか手段がない。だが、適用可能かウェブサイトに明記された宿は少なく、電話で問い合わせをせざるを得ない。ただでさえ宿泊手続きの手間が増えて忙しくなったフロントの負担を増やすと思うと、気が引ける。
 本制度に合わせてプリンターを購入した宿もあると聞いた。十分な準備期間を設け、現場の負担が少ない制度設計はできなかったのだろうか。

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