新幹線、間近に JR東海浜松工場110周年 住民招き感謝の催し
JR東海は19日、浜松市中区の同社浜松工場で、地元住民を対象にした創立110周年感謝イベントを開催した。招待された地元の220組約840人が間近で新幹線を見学したり、運転体験を行ったりして、楽しみながら新幹線や同工場への理解を深めた。
新幹線「N700A」や工場内で車両を運ぶ「入換動車」などを公開。来場者は普段はあまり見ることができない車両床下の台車や先端部分の「前頭オオイ」を外した先頭車なども見て回った。子供たちは乗務員の制服を着て先頭車の前で記念撮影を楽しんだ。
同工場の歴史を紹介するパネル展示やDVD上映のほか、実際の運転装置を使ったミニチュア模型の運転や、音でボルトの緩みを確認する打音検査の体験コーナーもあった。
杉山尚之工場長は「地元の理解があって110年、工場を運営できた。今後も高品質な車両を提供していきたい」と話した。
同工場は1912年11月創立。同社で唯一、新幹線の全般検査を実施している。取り扱う車両は蒸気機関車(SL)、電気機関車、電車と移り変わり、2011年に新幹線専用工場になった。かつては「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51形蒸気機関車などの製造も手がけた。