鴻池さん作品 目閉じ楽しむ 静岡県立美術館でイベント

 静岡市駿河区の県立美術館で開催中の「みる誕生 鴻池朋子展」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)に合わせたイベント「みる誕生会」が20日、同館で開かれた。視覚障害者ら5人が参加し、現代美術家の鴻池さんと一緒に、視覚以外の感覚を使って作品を鑑賞した。

作品に触れながら鑑賞する参加者=静岡市駿河区の県立美術館
作品に触れながら鑑賞する参加者=静岡市駿河区の県立美術館

 視覚障害者以外の人も目を閉じ、2人一組で、会場に張り巡らされたひもを伝って歩いた。多用されている動物の毛皮や市井の人々の物語を手芸で表現した「物語るテーブルランナー」、彫刻作品などに触れるだけでなく、音や機械で動いている作品の風も感じながら展示を楽しんだ。
 鴻池さんは「触れてみると、作品も美術館の壁も、そして自宅まで、全てがつながっていることが分かる」と説明。参加者は「音や光に敏感になった」「次に何があるのか分からないワクワク感があった」などと感想を話した。
 「みる誕生会」は12月10、11日にも開かれる。展覧会は2023年1月9日まで。問い合わせは同館<電054(263)5755>へ。

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