ダビンチ「理想都市」紹介 静岡文化芸術大 3層構造、模型で表現

 浜松市中区の静岡文化芸術大で12月11日まで、レオナルド・ダビンチによる複数のスケッチを基に制作された「理想都市模型」を紹介する展示会(同大主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。入場無料。

会場に展示されているダビンチの理想都市模型=浜松市中区の静岡文化芸術大
会場に展示されているダビンチの理想都市模型=浜松市中区の静岡文化芸術大

 3メートル×1・7メートルの木製模型。15世紀に流行したペストから人々を守るため、ダビンチが公衆衛生の観点で考えた都市のスケッチを踏まえ、イタリア・ミラノのレオナルド・ダビンチ記念国立科学技術博物館が制作した。1980年代に日本に持ち込まれ、武蔵野美術大の長尾重武元学長が保管していたが、昨年静岡文化芸術大に寄贈された。
 最大の特徴は、街が生活用、労働者用の通路と、廃棄物などを運ぶ運河の3層に分かれている点。立体的な導線の区別は、500年前としては先駆的な発想と高く評価される。
 会場では模型をCGで再現した映像を放映し、仮想現実(VR)で模型の中に入るような疑似体験もできる。同大デザイン学部の松田達准教授は「展示機会が少なかった貴重な模型。市民が都市について考えるきっかけになれば」と話す。
 11月27日午後1時からは長尾氏らを招いたシンポジウムを同大で開く。希望者は24日午後6時までに、同大ウェブサイトから申し込む。問い合わせは同大企画室<電053(457)6113>へ。

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