源頼朝像お披露目 伊豆の国 島田の倒木杉使用

 千葉山智満寺(島田市)で2012年9月に自然倒木した「頼朝杉」を使った源頼朝公像が23日、伊豆の国市の韮山時代劇場で特別公開された。征夷大将軍になった頃をモチーフに、権力の頂点に立つ気品のある様子を表現した像で、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮に奉納する。

特別公開された源頼朝公像を見学する関係者=伊豆の国市の韮山時代劇場
特別公開された源頼朝公像を見学する関係者=伊豆の国市の韮山時代劇場

 像の制作は名木を通じた地域活性化や文化継承に取り組む銘木総研(大阪市)を中心としたプロジェクト。倒れた杉の樹齢は推定800年で、頼朝が挙兵時に手植えしたとされる。像は高さ99センチ、横幅130・5センチ、奥行き95センチ、重さ50キロで、顔立ちなどはさまざまな肖像画や像を参考に、仏師の江里康慧さんが新たなイメージで作り上げた。
 一般公開を前に頼朝ゆかりの地を代表して伊豆の国、伊豆、三島の3市長らが見学した。伊豆の国市の山下正行市長は「生きているかのようなすばらしい像。何を考えている表情なのかいろいろと想像できる」と完成を喜んだ。
 江里さんは「頼朝は伊豆での苦労の末、挙兵して日本の歴史を変え、現代にも影響を与えた。頂点を極めた頼朝の勇気と希望を感じ取ってもらえれば」と期待。銘木総研の前井宏之社長は「頼朝の功績を認識し、日本の文化や芸術、技術のすごさを世界中に知ってもらいたい」と話した。

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