作業員の搬送手順確認 浜岡原発での労災事故想定し訓練 磐田市立病院、中電など連携強化

 磐田市立総合病院と中部電力、磐田消防署は26日、浜岡原発(御前崎市佐倉)での労災事故を想定し、放射線物質に汚染された原発作業員を病院に搬送する訓練を同病院で行った。3機関から計44人が参加し、情報収集や搬送手順などを確認して連携強化を図った。

ガウンや手袋を装備し、放射線管理区域内で医療措置する医師ら=磐田市大久保の磐田市立総合病院
ガウンや手袋を装備し、放射線管理区域内で医療措置する医師ら=磐田市大久保の磐田市立総合病院


 中部電力から通報を受けた消防職員が、放射線汚染レベルや患者に関する情報を収集。病院は患者受け入れ決定後、院内の汚染の拡散を防ぐために床や壁、資機材をシートで覆い、治療を行うエリア「放射線管理区域」を設定した。処置を行う医師らはガウンや手袋を装備した。
 患者役を院内に運び入れると、消防職員と情報を共有して医療措置を開始した。放射線管理区域内では医師、看護師、放射線技師が、患者役の全身状態を確認し、創部を除染。放射線量測定を行い、慎重に作業を進めた。
 放射線管理区域で活動した救急科の一谷真一医師は「コロナ禍なので、患者の感染有無も意識して処置した。原発事故は普段ではない事故なので定期的に訓練し、手を動かせるようにしたい」と話した。

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