老舗民宿でワーケーション 小山の「山久荘」 30日に専用施設オープン

 主にスポーツ団体や大学のゼミの合宿を受け入れてきた老舗民宿「山久荘」(小山町桑木)は、敷地内にワーケーション専用施設を新設した。30日にオープンする。働き方の多様化を好機と捉え、首都圏に近く自然豊かな環境を生かしてビジネスパーソンを呼び込む。

新設したワーケーション専用棟「さくらぼ」=小山町桑木の山久荘
新設したワーケーション専用棟「さくらぼ」=小山町桑木の山久荘

 コンセプトは「ふるさと回帰型ワーケーション」。場所の提供にとどまらず、農業やサイクリングなどの体験メニューを用意する。利用者と地元住民との交流の機会も設ける考え。3代目の小見山義史さん(40)は「新しい自分に出会い、人と人をつなぎ、化学反応が起きる場所にしたい」と言葉に力を込める。
 専用施設「さくらぼ(39Lab)」は木造平屋の86平方メートル。土間風のコミュニケーションスペースやオンライン会議ができる個室を備える。名称は、山久荘の魅力の一つである桜と、実験室を意味する「ラボ」などを組み合わせた言葉だ。
 山久荘は創業60年超。小見山さんが家業に入ってからスポーツ合宿の誘致に力を入れ、2019年に過去最高の売り上げを記録したが、新型コロナウイルス禍で一転苦境に陥った。立地など施設の強みと社会ニーズを分析し、ワーケーションに着目した。
 「さくらぼ」は宿泊者以外も利用できる。当面は予約制。詳細はホームページで。

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