障害者がごみかご作り 沼津の親子ら 来春の本格販売目指す

 沼津市の障害のある生徒と保護者らが、ごみ集積所に設置する折りたたみ式かごの製作に取り組んでいる。「地域で使われる製品を作ることで、障害者が社会とつながるきっかけに」と、市内の自治会に無償で提供して使いやすさなどの意見を募り、来春からの本格販売を目指す。

製作した折りたたみ式かごを組み立てる沼田さん親子(左)と自治会員=11月中旬、沼津市五月町
製作した折りたたみ式かごを組み立てる沼田さん親子(左)と自治会員=11月中旬、沼津市五月町

 取り組んでいるのは、沼津市の沼田潤さん(45)ら。沼田さんは自閉症の息子の晃太朗さん(17)=沼津特別支援学校高等部2年=が学校で学ぶ木工や縫製などの技術を生かせないかと考え、カラスなどによるごみの飛散防止に使われる折りたたみ式のかごに着目した。
 現在は晃太朗さんら障害のある3人が保護者らとかごの製作を進めている。大きさは幅1メートル90センチ、奥行き80センチと、幅1メートル70センチ、奥行き60センチの2種類を用意。骨組みに塩ビ管を使い、工程を簡略化して障害者でも作業がしやすくした。ふたに取っ手を付けて使いやすくし、耐久性も実験を重ねた。
 9月の市自治会連合会の会合で商品を紹介し、10自治会が無償提供を受けた。11月19日には同市の五月町自治会に設置され、沼田さん親子が立ち会った。自治会の班名を記したプレートも作り、晃太朗さんが描いた魚の絵を配した。杉山靖会長(75)は「交換時期のかごがあったので手を挙げた。軽量で扱いやすく、プレートも目立っていい」と高評価。晃太朗さんも「使ってもらえてうれしい」と笑顔で応じた。
 沼田さんは「自分の作った製品を街角で見られ、やりがいも感じられる。学校で学んだ技術を生かし、社会的自立につながる仕事にできたら」と思い描く。

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