熱海観光 お座敷遊びは泊食分離で 市が新プラン、地場の味堪能

 新型コロナウイルス禍の影響で宴席が激減している芸妓(げいぎ)の活躍の場を創出しながら、新たな観光コンテンツを生み出そうと、熱海市は熱海芸妓置屋連合組合などと協力して新たな観光商品のテスト販売を始めた。地元の飲食店が提供する食事とともにお座敷遊びが楽しめるプランで、2月上旬まで催行している。

芸妓とお座敷遊びを楽しむプラン参加者=6日、熱海市中央町の熱海芸妓見番
芸妓とお座敷遊びを楽しむプラン参加者=6日、熱海市中央町の熱海芸妓見番

 コロナ感染対策の行動制限が撤廃され、観光の客足がコロナ以前の水準に戻りつつある同市。この3年間で旅行形態は大きく変わり、芸妓衆の“主戦場”である宴席の需要はなかなか回復しないのが実情だ。
 こうした中、市はウィズコロナに対応した旅行スタイルとして、宿泊客がホテルや旅館以外で食事を楽しむ「泊食分離」の普及を目指している。これに熱海の華である芸妓の魅力を組み合わせたのが今回のプランだ。
 同市中央町の熱海芸妓見番で芸妓との会話や踊りの鑑賞、お座敷遊びが楽しめる2時間のコースで、地場産の魚介類をふんだんに使った特製弁当を提供する。定員は先着20人。料金は5500円。
 6日に初めて行ったプランには12人の客が参加した。軽快な三味線の音色が響く中、芸妓と「金比羅船々」などのお座敷遊びを体験した東京都杉並区の会社員男性(37)は「今まで花火や温泉の印象が強かったが、新しい熱海の楽しみ方を知ることができた」と語った。
 市は参加者へのアンケートなどを通して価格やサービス内容の検討を重ね、将来的に熱海芸妓置屋連合組合と旅行会社が運営できるビジネスモデルを確立したいとしている。小笠原亜紀子組合長は「コロナ禍で芸妓を取り巻く環境は大変厳しいが、芸妓文化を残していくために頑張っていきたい」と話した。
 プランは来年2月8日までの9日間。問い合わせはJTB静岡支店<電054(252)6969>へ。

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