生まれつき敏感、繊細 HSC・HSPを知って 静岡の漆畑さん、長男体験きっかけに仲間と啓発

 生まれつき人の気持ちや環境に敏感で繊細な子ども「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」や成人「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」がいることを知ってほしい-。静岡市葵区の漆畑智子さん(42)が、仲間と啓発活動に取り組んでいる。自身の体験も伝えながら、「当事者や周囲が生きやすくなるように」と理解を求める。

HSPやHSCの理解を求めて活動する漆畑智子さん。「当事者や周囲が生きやすくなるように」と願う=4日、静岡市葵区
HSPやHSCの理解を求めて活動する漆畑智子さん。「当事者や周囲が生きやすくなるように」と願う=4日、静岡市葵区
HSC・HPSの性質
HSC・HPSの性質
HSPやHSCの理解を求めて活動する漆畑智子さん。「当事者や周囲が生きやすくなるように」と願う=4日、静岡市葵区
HSC・HPSの性質

 HSC・HSPは米国の心理学者アーロン博士が提唱した概念で、5人に1人の割合でいると言われる。深く考え、過剰に刺激を受けやすいなどの性質を持つ。刺激の多い学校では、生徒同士の悪口や教員の大声などが過剰刺激となり、不登校になることもある。
 漆畑さんが概念を知ったのは長男(17)が中学1年の頃、部活動の顧問の心ない言動に傷ついて不登校気味になったのがきっかけだった。知人からHSPの存在を知り、調べるうちに自分や子どもが当てはまると気付いた。「子どもや自分を『ありのままでいい』と受け入れられるようになり、心が軽くなった」と振り返る。
 以前は「学校という枠から離れることに不安だった」ことで、別室登校を始めた長男に「いつ教室に戻るの?」と常に声をかけていた。「息子には休息が必要だった。もっと早く知っていれば対応も違った」と悔いる。
 長男は現在、通信制高校に通いながら、将来の目標も見つけた。漆畑さんは「敏感に感情を察知するため、親の状態が大きく影響する。親が幸せでいることが子どもの幸せにもつながる」と実感する。
 昨年から勉強会や映画上映会を開き、11月には任意団体「HSP未来ラボ静岡」として講演会を開催した。今後も交流会などを通して「親や学校関係者、子どもに関わる全ての人に正しい理解を促したい。みんなが笑顔で過ごせるようになれば」と願う。

 ■18日 静岡で交流会
 HSP未来ラボ静岡は18日午前10時から、HSPの交流会を静岡市葵区の番町市民活動センターで開く。
 HSP同士の交流のほか、漆畑さんの長男への質問会も開く。参加無料。申し込みはHSP未来ラボ静岡のホームページから。
 問い合わせはHSP未来ラボ静岡のメール<hsp.hsc.shizuoka@gmail.com>へ。

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