記者コラム「清流」 情報をどう生かすか

 気象庁が6月から線状降水帯の発生予報を始めたが、今期実際に発生した11回のうち予報できたのは3回だった―と発表した。県内に甚大な被害を及ぼした9月の台風15号の線状降水帯も予報されなかった。画期的な試みだが、まだ技術的に途上段階なのか。
 それでも台風当日の浜松での取材を振り返って、一昔前と比べてリアルタイムの行政の情報発信は格段に増えたと感じた。レーダー解析を生かした記録的短時間大雨情報は16回も発表され、豪雨の地点が把握しやすかった。河川の水位もウェブ上で刻々と確認できた。各行政機関とも「出せる情報はどんどん出す」との姿勢を明確にしている。
 防災情報の量や精度は進化が続いている。どう避難行動に生かせるか。自分の備えもアップデートを続けたい。
 (浜松総局・宮坂武司)

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