事務局「論点案」3項目を提示 リニア国交省専門家会議 環境保全、代償措置検討も

 リニア中央新幹線トンネル工事に伴う南アルプスの環境への影響について議論する国土交通省の第6回専門家会議が20日、東京都内で開かれ、事務局の同省鉄道局が今後議論する対象を絞り込んだ「論点案」を示した。地下水位の低下に伴う沢の水生生物への影響など3テーマを出し、保全のあり方として移植などの代償措置も検討するとした。
 論点案では地下水の低下に伴う高標高部の植生への影響や、残土置き場の設置など地上部分の改変が与える環境の影響も提示した。
 沢については、影響が懸念される沢ごとに分析する「沢カルテ」を作成する。高標高部の植生については、水分の供給経路を調査して植物の生育場ごとに評価する。地上部分の改変は、作業ヤードから放流するトンネル湧水の影響や、残土置き場での排水や土地の改変が与える影響を調べるとした。
 保全措置の考え方ではトンネル湧水を抑える工法など具体的な回避・低減措置を検討し、対応しきれない場合は代償措置を検討するとした。
 過去5回の会議で行った関係者ヒアリングなどを通じ、論点を整理したという。

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