記者コラム「清流」 “隣国”ブラジル

 サッカーの日韓ワールドカップ(W杯)が開かれた2002年当時は中学生だった。ブラジルが優勝を決めた翌朝、同国出身の女子同級生は緑、黄、青色に彩られた母国旗を掲げながら登校した。その日はやけに胸を張り、意気揚々と歩いていた姿を覚えている。
 湖西市に暮らす外国人のうち、半数がブラジル人。現地の食材や料理を提供する店もあり、なじみ深い国の一つだ。
 カタールW杯期間中、ブラジル国旗を掲げる車を市内で見かけた。ボンネットいっぱいに広げられた旗は、異国の地で生活する人々が、故郷の誇りを顕示するようだった。
 今大会で日本は、PK戦の末に16強で敗れた。勝てば実現した日本-ブラジル戦。強国を連破して列島は大いに沸いたが、“隣国”との熱戦はお預けを食らった。

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