静岡人インタビュー「この人」 乳がん経験者にドレスアップの場を提供する 松永直子さん(焼津市)
闘病してきた女性にウエディングドレスを着てもらうイベントを昨年から年1回、静岡市で開いている。本業はフリーランスのウエディングプランナー。新郎新婦の要望に応じて、国内外の多彩な結婚式を企画している。36歳。
-どのようなイベントを開いているのか。
「ドレスショップや写真家、ヘアメークなどの協力を得て、乳がん経験者の方にドレスを着て写真撮影を楽しんでもらう。どの参加者も最初は緊張しているが、ドレスアップ後は一気に表情が華やぐ」
-イベントを企画したきっかけは。
「知人の紹介で乳がん経験者の女性に出会ったのがきっかけ。乳がんを経験した人の中には外見の変化から、おしゃれや美容に前向きになれない人が少なくないと聞いた。何か自分にできることはないかと考え、イベントを企画した」
-イベント関係者に向け、乳がんの啓発も行っている。
「ブライダル業界で働く人は若い女性が多い。乳がん経験者の方の講話を聞く機会を設け、セルフチェック法などを学んでもらっている。まずは働く人たちに意識を高めてもらい、それがお店を利用する新婦の方の関心にもつながっていく取り組みになっていけばうれしい」
-今後、イベントをどのように展開していくか。
「昨年と今年はそれぞれ、5人の方にドレスを着てもらったが、応募者はもっと多い。メークや写真で協力したいという声も増えているので、来年は15~20人の規模での開催を目指している。今の協力者は全てボランティア。将来的にはスポンサーとして関わってくれる企業も探し、長く継続していきたい」