不適切保育防止へ議論 長泉、幼保施設が情報交換会

 長泉町は23日、裾野市の私立保育園で発生した暴行事件を受け、町内20の幼児教育・保育施設が集う情報交換会を町役場で開いた。公認心理師・臨床心理士で県東部児童相談所の市原真記所長が講演した他、各施設の代表者が不適切な保育を防ぐための取り組みについて話し合った。

不適切保育を防ぐために取り組むべき課題について話し合う各教育・保育施設の代表者=長泉町役場
不適切保育を防ぐために取り組むべき課題について話し合う各教育・保育施設の代表者=長泉町役場
不適切保育を防ぐための心構えや適切な対処を伝える市原所長(右)=長泉町役場
不適切保育を防ぐための心構えや適切な対処を伝える市原所長(右)=長泉町役場
不適切保育を防ぐために取り組むべき課題について話し合う各教育・保育施設の代表者=長泉町役場
不適切保育を防ぐための心構えや適切な対処を伝える市原所長(右)=長泉町役場

 「興奮しやすい子・支援が難しい子の理解と支援」と題して講演した市原所長は、自分の特性を受け継いだわが子を怒る時は、その指摘が自身にも返ってくるために言いづらい一方、「保育現場で預かった子は血のつながりがないため、自分の欠点を棚に上げて怒ってしまうことがある」と指摘した。「怒るのと興奮して我を忘れることは違う」「問題行動を止めずに見守るのではなく、冷静に止める」「気持ちは受け止めても逸脱行為は許容しない」など、心構えや適切な対処を伝えた。
 講演の内容を受け、保育現場で取り組むべき課題をグループごとに議論した。参加者からは「言葉の虐待は子どもの脳にも損傷を与えると知り、声掛けの重みを考え直した」「子ども、職員、保護者間の信頼関係構築が必要」「子どもの行動の理由を多方面から観察するのが重要」など意見が挙がった。
 情報交換会は町が町内の公立、私立全幼保施設の情報共有を目的に今年6月から始め、今回で2回目。

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