日本代表・井上さん(富士宮) ボディビル世界選手権3カテゴリ入賞

 富士宮市外神東町でトレーニングジム「ラビッチョ」を営む井上裕章さん(50)がこのほど、スペインで開かれたボディビルの世界選手権に日本代表として出場し、3カテゴリで入賞した。50歳になる節目に集大成として挑んだ世界選手権。「ここまで何度も辞めようと思った。傷つくだけ傷ついたが癒やしてくれたのもボディビルだった」と厳しい1年を振り返った。

世界選手権での入賞をかみしめる井上さん=富士宮市外神東町
世界選手権での入賞をかみしめる井上さん=富士宮市外神東町

 4カテゴリに出場した井上さんはボディビルマスターズ50~54歳80キロ以下で6位、男子ボディビルマスターズゲームスクラシック45歳以上は4位、男子ボディビルマスターズクラシック50歳以上で3位に入った。「一番うれしかったのは体重別の6位」。体重差もある各国のつわものがそろう中で「自分のボディビルが世界に通用した」とかみしめる。
 世界選手権までの道のりも険しかった。夏に3週連続で出場した全国大会で3冠などの成果を挙げたが、秋の無差別級日本一を決める日本選手権は14位。1次予選後に他の選手と体を比較する場に呼ばれなかったことが「一番悔しかった」と振り返る。世界選手権直前に気持ちが入らない中、背中を押したのは自身のジムに通う競輪選手の言葉だった。「井上さん。自分の目指したい場所でいてください」。当日は仲間の支えもあり4カテゴリを戦い抜いた。
 節目の年に国内外の大会を“自分だけのトーナメント”に見立てて挑戦した井上さん。「自分にとって工夫とはより苦しむこと。工夫しながら傷ついて生きていく。ここからが第二章」と見据えた。

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