Jリーガー起業 沼津出身の鈴木選手(FC東京) 新会社でサッカー教室

 沼津市出身でサッカーJ1FC東京のDF鈴木準弥選手(26)が、社会貢献を目的にした会社「準弥」を同市に立ち上げた。自ら社長を務め、サッカースクールをはじめとする多様な事業を展開する。「生きてて楽しいと思えるような地域にしたい。現役Jリーガーがやることに価値がある」と意気込む。

フットゴルフの体験コーナーで子どもたちと交流する鈴木選手(中央)=沼津市内
フットゴルフの体験コーナーで子どもたちと交流する鈴木選手(中央)=沼津市内

 鈴木選手は清水エスパルスユース、早大、ドイツ3部VfRアーレンとキャリアを重ね、2019年にJ3藤枝MYFCに入団。さらにJ2ブラウブリッツ秋田を経て、21年からFC東京に所属している。キックの精度を武器に上位カテゴリーへ駆け上がった。藤枝時代は試合やアルバイトを通し、サポーターと地域からの応援を身近に感じたという。
 小学生時代、県トレセンでコーチとして指導を受けた田中秀和さん(51)の賛同を得て今年7月、故郷で共に会社を設立。スクールではキックに重点を置き、直接指導する。地域振興への貢献を目指し、動物の殺処分ゼロに向けた活動や、流産・死産を経験した家族、障害者への支援など、広い社会問題にも携わる構想だ。
 26日には、県東部の小学生サッカーチーム10組を集め、試合を兼ねたイベントを沼津市内で開催した。運営に地元の高校生の手を借り、フットゴルフ体験や蹴った球速の測定コーナーも設けた。出店の機会にしてもらおうと地域のキッチンカーも集めた。鈴木選手は試合を見守りながら体験コーナーで子どもたちと汗を流した。
 清水町立南小6年の橋本嵐君(12)はJリーガーのキックを見て「速すぎてびっくりした。あんな球を蹴れるようになりたい」と目を輝かせた。鈴木選手は「地域の笑顔を作り出すことができた。沼津をスタート地点として全国で活動し、子どもたちに夢を与えたい」とピッチにとどまらない活躍を決意する。

 ■故郷への思い 市長に
 鈴木準弥選手と田中秀和さんは27日、沼津市役所を訪れ、頼重秀一市長に地域貢献への思いを伝えた。
 鈴木選手は「やりたいことを形にするために会社を設立した」とし「(住む人の)目がきらきらするような沼津にしたい」と述べた。田中さんは「鈴木選手の人柄や思いに感銘を受けた。2人だからできることがある」と語った。
 頼重市長は「ありがたい取り組み。楽しいことを協力してやろうという思いを感じる」と歓迎した。

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