足湯で運動パフォーマンス「向上」 静大生が焼津温泉で実験 コミュニケーションにも効果、痛み緩和

 静岡大の学生が焼津温泉の湯を使った足湯でスポーツの効果について検証する実験を行った。大学の運動部員の協力で2日間実施したところ、「足湯に入ると運動パフォーマンスが向上する」との結論が得られた。コミュニケーション促進にも一定の効果があるという。

運動部員の協力で行われた焼津温泉の湯を使った実験=静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス(中橋さん提供)
運動部員の協力で行われた焼津温泉の湯を使った実験=静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス(中橋さん提供)

 検証実験を企画したのは同大地域創造学環3年の中橋幸作さん(21)。昨年11月26日と同12月3日に同大のサッカー、バレーボール、女子バスケット、女子ハンドボールの部員延べ66人が足湯に入るグループと入らないグループに分かれて参加した。その後に2グループが合流して練習に取り組み、感じた効果をアンケートで回答した。
 アンケートの結果、「ボールタッチは良かったか」「練習に主体的に取り組めたか」というパフォーマンス関連の質問で、足湯ありグループの回答で「とてもそう思う」「そう思う」が過半数を占めた。
 「ボールが体に接触した時の痛みが緩和したか」という設問でも足湯ありグループで肯定的な回答が圧倒的に多かった。いずれの設問でも、足湯なしグループでの肯定的な回答の比率を上回っている。
 一方で、選手同士のコミュニケーションにつながったかについては、足湯あり、なしを比べても肯定的な回答率に差がなかった。
 中橋さんは「痛みの緩和、パフォーマンスの向上に足湯は効果ありと言える」と結論づけた。コミュニケーション関連についてはアンケートの詳細分析を進めていく考えだ。

 ■焼津市、利用拡大に期待
 焼津市内10施設で利用できる焼津温泉。観光の起爆剤としてPRに力を入れる市は実験結果を受けて、活用法の広がりに期待を寄せる。焼津温泉はJR焼津駅南口に設けられた足湯をはじめ、「エキチカ温泉・くろしお」などで利用できる。昨秋には源泉の新井戸設置を機に「やいづ黒潮温泉」から現在の名称に変更した。
 焼津市観光交流課の担当者は「入浴だけでなく、スポーツでも活用できる。温泉の可能性が広がる」と語る。スポーツチームを持つ市内企業に活用を促すなど展開策を検討している。

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