大学生が海浜マラソン企画 21日初開催 三保半島突端の絶景PR

 富士山やガントリークレーン、伊豆半島が一望できる静岡市清水区の三保半島突端にある吹合ノ岬の魅力をPRしようと、地元大学生が企画した「第1回三保海浜マラソン」が21日に開催される。同岬は観光客は訪れないものの絶景ポイントとして知られる。観光施設が減少する三保の多面的な魅力を発信し、郷里を元気づけようとしている。

初開催のマラソンコースになる予定の三保半島突端を案内する宮城嶋さん=静岡市清水区三保の吹合ノ岬
初開催のマラソンコースになる予定の三保半島突端を案内する宮城嶋さん=静岡市清水区三保の吹合ノ岬

 同岬周辺には国の重要文化財に指定された清水灯台や、本年度から県が管理する旧三保飛行場がある。絶景のパノラマが広がるが、あまり知られていない。近年は大型宿泊施設が閉館し、本年度に東海大海洋科学博物館が有料入館を終了するため、一層訪れる人が減る可能性がある。
 「せっかくの景色なのに、この場所に人が来る理由がなくなりつつある。価値を知ってもらえば守る人が出てくると考えた」。マラソン大会を企画し、実行委員長となったのは同区折戸の常葉大2年、宮城嶋開人さん(20)。地域では三保松原を保全するボランティア活動が行われたり、地元振興にとレストランを新たにオープンさせたりする動きもある。宮城嶋さんは「刺激を受け自分にも何かできないか、と企画した」と話す。
 主会場の旧三保飛行場が県の管理になり、有刺鉄線や「立ち入り禁止」の看板が撤去された。昨年6月ごろに企画し、11月から家族や高校時代の後輩らと周辺の雑草やつるを取り除く作業を毎週末のように続けてきた。一緒に活動する宮城嶋さんの父親(56)は「これまで旧飛行場には一般の人は入れず、どのような場所か知らない人は多い」と話す。
 マラソン大会にはすでに約160人がエントリーし、受け付けは終了。当日のレース後は三保松原の保全活動も行う予定だ。

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