3年延期の静大衛星「蓬莱」 今年打ち上げへ 教授らが見通し

 静岡大工学部が開発し、宇宙空間への放出延期が続いていた超小型人工衛星「蓬莱(ほうらい、正式名称・STARS―Me2)」について同大は8日、国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げが2023年中の見通しだと明らかにした。開発計画を発表した19年時点は20年度中の打ち上げ予定だったが、コロナ禍などの影響を受けた。

「蓬莱」の愛称を書き記す溝口さん=浜松市中区の静岡大浜松キャンパス
「蓬莱」の愛称を書き記す溝口さん=浜松市中区の静岡大浜松キャンパス
打ち上げ延期が続いていた蓬莱。黒い板は俳句の刻まれた銘板で蓬莱の文字は溝口さんが書き記した
打ち上げ延期が続いていた蓬莱。黒い板は俳句の刻まれた銘板で蓬莱の文字は溝口さんが書き記した
「蓬莱」の愛称を書き記す溝口さん=浜松市中区の静岡大浜松キャンパス
打ち上げ延期が続いていた蓬莱。黒い板は俳句の刻まれた銘板で蓬莱の文字は溝口さんが書き記した

 蓬莱は10センチ角。宇宙デブリ(ごみ)の除去や宇宙エレベーター開発に向けた実験を行う。計画発表時は4機目の静大衛星として紹介された。
 開発を主導した能見公博教授らによると、新型コロナウイルスの感染が拡大して設計などで遅れが出た。この間にISS行きロケットに持ち込める超小型衛星の数が増え、審査基準も厳格化。能見教授は「開発と審査との追いかけっこになった」と話した。蓬莱は米航空宇宙局(NASA)などの審査を受け、今夏以降に補給ロケットに乗せられる。
 この日は、「蓬莱」の愛称を提案した掛川西高2年溝口蘭々[らら]さんや宇宙をテーマに俳句を寄せた小中学生らが同大浜松キャンパス(浜松市中区)に集合。蓬莱の機体に代表生徒が俳句の刻まれた小型の銘板を取り付け、溝口さんが愛称をペンで記した。溝口さんは「蓬莱が科学の発展の役に立ってほしい」と話した。

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