記者コラム「清流」 人の縁は心の支え

 日本郵便は今年元日の年賀郵便物の配達数が、前年より14.3%少ない約8億8200万通だったと発表した。2004年の23億通超から6割以上減った。年賀状の形が多様化したのかもしれないが、社会の縁の希薄化を想像してしまう。
 私事だが、93歳だった祖母を昨秋亡くした。三島市で80代後半まで食堂の経営を続けた働き者。これまで東部の総局と支局3カ所に赴任したが、その至る所に祖母の親類や友人がいて取材を助けてくれた。自分に人の縁の不思議さを教え続けてくれた存在だった。
 年齢を重ねるにつれ、人の縁が仕事だけでなく心の支えになると実感する。葬儀で祖母がつないでくれた人々と再会し胸いっぱいになった。筆無精を反省し、来年はたくさん年賀状を書こうと思う。

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