Sフライ級全日本新人王の佐野 多彩なパンチで圧倒「静岡から世界王者に」 平石ジム所属
プロボクシングの全日本新人王決定戦(2022年12月17日、東京・後楽園ホール)スーパーフライ級で、平石ジム(静岡市葵区)の佐野遥渉[あゆむ](19)=富士宮市=が優勝した。西軍代表決定戦では全階級の中でMVPに輝いたボクサーは、多彩なパンチで東軍代表の五十嵐春輝(湘南龍拳)を3-0で圧倒した。
52・16キロ制限の同階級では長身の173センチ。長いリーチを生かして距離感を支配し、「持ち味の(パンチの)当て勘もさえた」。序盤から右のフック、ストレートをクリーンヒット。技術だけでなく、最終5回にはノーガードの打ち合いにも応じる闘志を見せた。
飛龍高で全国選抜3位など、アマチュア時代から実績十分。現在は焼津市の芸能事務所「YAIZOO」にも所属し、「名前を売ると同時に、静岡の格闘技を盛り上げたい」と交流サイト(SNS)などでボクシング動画の配信にも取り組む異色の若手だ。
新人王を手にしたことで、日本ランキング入りが確定。次はユース(24歳以下)の日本タイトルを狙う。最大の目標は県内ボクシング界がまだ成し遂げていない世界王者の戴冠。「何としても自分が一人目になる。『静岡のボクサーと言えば佐野遥渉』と言われる存在を目指す」と、大きな野望を掲げる。