地域の思い天高く 色鮮やかな御幣焼き 高さ7・5メートル 静岡・清水区吉原

 静岡市清水区の山間地・吉原地区で13日、伝統の「御幣(おんべ)焼き」が行われた。飾りや書き初めなどが取り付けられた高さ7メートル50センチの竹ざおを正月飾りと一緒に燃やすどんど焼きを兼ねた独特の行事で、江戸・明治期に長野県から伝えられたとされる。

高さ7メートル50センチある「御幣焼き」の飾り=静岡市清水区吉原の吉原公園
高さ7メートル50センチある「御幣焼き」の飾り=静岡市清水区吉原の吉原公園

 特徴は、竹ざお中央付近に付けられた直径5メートル程度の花がさ。高齢者が手作りした「猿ねんねこ」と呼ばれる飾りや、だるまなどがぶら下げられた。午後5時半ごろに年男が点火、東の方向に引き倒すと、縁起物とされる花がさの飾りを住民がわれ先にと拾った。
 行事では、竹ざおを燃やした際に書き初めが天高く舞い上がれば字の上達が望めるとされる。会場の吉原公園には近くの高齢者施設の入所者らが習字の作品を持って訪れるなどにぎわいを見せ、イノシシ汁やきな粉餅の振る舞いもあった。
 行事は昭和40~50年代ごろ一度途絶えたが、地元保存会が復活させ続けている。代表の池田富則さん(81)は「県内では一番の優雅さを誇るどんど焼きではないか」と話した。

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