全国都道府県女子駅伝 静岡19位 2区沢田9人抜きも流れに乗りきれず 清水は引退レース欠場

 第41回全国都道府県対抗女子駅伝は15日、京都市のたけびしスタジアム京都発着の9区間、42・195キロで行われ、大阪が2時間15分48秒で8年ぶり4度目の優勝を果たした。

1区牛(左)から2区沢田(右)にたすきが渡る=京都市の衣笠校前・第1中継所(写真部・田中秀樹)
1区牛(左)から2区沢田(右)にたすきが渡る=京都市の衣笠校前・第1中継所(写真部・田中秀樹)
今大会限りで現役引退した清水(右)。左は同級生でアンカー9区を走った竹山=京都市体育館
今大会限りで現役引退した清水(右)。左は同級生でアンカー9区を走った竹山=京都市体育館
3区で区間新記録をマークし、笑顔で記念撮影に応じる岡山・ドルーリー
3区で区間新記録をマークし、笑顔で記念撮影に応じる岡山・ドルーリー
第41回全国都道府県対抗女子駅伝で、ガッツポーズでゴールへ向かう大阪のアンカー松田。8年ぶり4度目の優勝を果たした=たけびしスタジアム京都
第41回全国都道府県対抗女子駅伝で、ガッツポーズでゴールへ向かう大阪のアンカー松田。8年ぶり4度目の優勝を果たした=たけびしスタジアム京都
1区牛(左)から2区沢田(右)にたすきが渡る=京都市の衣笠校前・第1中継所(写真部・田中秀樹)
今大会限りで現役引退した清水(右)。左は同級生でアンカー9区を走った竹山=京都市体育館
3区で区間新記録をマークし、笑顔で記念撮影に応じる岡山・ドルーリー
第41回全国都道府県対抗女子駅伝で、ガッツポーズでゴールへ向かう大阪のアンカー松田。8年ぶり4度目の優勝を果たした=たけびしスタジアム京都

 静岡県は2時間21分28秒の19位で3大会ぶりの入賞はならなかった。33位で出た2区沢田結弥(浜松市立高)が区間4位、9人抜きの快走で追い上げ、4区町碧海(スズキAC)、5区田島愛理(静岡サレジオ高)、6区赤堀かりん(日体大、浜松市立高出)も区間13位以内と好走したが20位前後を抜けられなかった。7区を終えて23位。8区藤田紅良(富士宮北山中)が区間12位で3人を抜き、アンカー9区の竹山楓菜(センコー、浜松湖東高出)が粘って10位台でフィニッシュした。
 序盤から先頭を争った大阪はトップから5秒差の3位でたすきを受けた最終9区(10キロ)の松田瑞生(ダイハツ)が区間賞の快走。福岡と東京をかわし並走していた神奈川を残り約5キロで引き離した。
 新型コロナウイルスの影響で中止となった第39回を挟む3連覇を狙った京都は49秒差の2位だった。前回2位の福岡が3位、神奈川が4位。
 3区(3キロ)でドルーリー朱瑛里(岡山・鶴山中)が区間新の9分2秒をマークした。

 【区間1位記録】
 ▽1区=6キロ 小海遥(新潟・第一生命グループ)19分6秒
 ▽2区=4キロ 渡辺菜々美(神奈川・パナソニック、加藤学園高出)12分31秒
 ▽3区=3キロ ドルーリー朱瑛里(岡山・鶴山中)9分2秒=区間新
 ▽4区=4キロ 山本釉未(京都・立命館宇治高)12分56秒
 ▽5区=4・1075キロ 上杉真穂(千葉・スターツ)13分7秒
 ▽6区=4・0875キロ 近藤希美(神奈川・東海大相模高)12分47秒
 ▽7区=4キロ 岩崎麻知子(福島・学法石川高)細谷愛子(京都・立命館宇治高、静岡東中出)12分34秒
 ▽8区=3キロ 木戸望乃実(福島・石川中)9分43秒
 ▽9区=10キロ 松田瑞生(大阪・ダイハツ)31分22秒


 2区沢田 9人抜きも photo02 1区牛(左)から2区沢田(右)にたすきが渡る=京都市の衣笠校前・第1中継所(写真部・田中秀樹) photo02 4区町(左)から5区田島(右)がたすきを受け取り走り出す=京都市の北白川山田町・第4中継所(写真部・田中秀樹)
 静岡県は最後まで流れに乗れなかった。5人が区間13位以内で走りながら、3区間で30位以下。追い上げても順位を維持できず、10位台に食い込むのが精いっぱいだった。
 急きょ1区に回った牛(拓大、浜松開誠館高出)が想定以上のハイペースに苦戦し33位。多少の遅れは高校エースの2区沢田で帳消しにできる公算だったが、「順位以上にタイム差が大きかった」と渋川監督(浜松工高教)。首位と1分37秒、8位にも1分以上離され後手に回った。
 強豪チームと渡り合った区間はある。沢田は「少しでも入賞圏内まで持っていく」と、大学・実業団のスピードランナーを相手に区間4位で9人抜き。4区町が「序盤の上りを冷静に走り、ラストで狙い通り上げられた」と5人抜きで19位まで引き上げ、5区田島は上りの難区間で順位こそ下げたが昨年と同じ区間13位と粘った。ただ、8位までは2分41秒差。9人全員がかみ合わなければ入賞には届かない。
 主要区間を担ってきた最年長27歳の清水が今大会で引退。たすきは後輩に託された。高校で陸上を始めた田島は「前回大会に出て全国で戦いたいと思うようになった」と大学でも競技を続ける。実業団の名門に進む牛も「初めて大舞台の1区を走った経験を生かす」と雪辱を期した。

 清水に〝10区〟のたすき 引退レース 発熱で欠場
 静岡を愛した名ランナーがさわやかに現役に別れを告げた。清水(ヤマダホールディングス、静岡由比中出)は発熱の影響で欠場したがチームに帯同。「みんなが自分の分まで走ってくれた」と感謝の言葉を口にした。
 近年の体調不良から昨夏に引退を決意。今大会の1区がラストランのはずだった。ショックはあったが代役の牛に付き添うなどチームをサポート。最後はアンカー9区を務めた同級生の竹山から「はい“10区”。お疲れさま」とたすきを掛けられ、涙をこぼした。
 大学時代からエントリー7度。実業団が拠点を置く群馬から出場した時期もあったが「最後は静岡で」と決めていた。「高校から県外に進んだ自分をいつも『実家』のように迎えてくれたチームで引退を迎えられた」。27歳は満面の笑みで都大路を後にした。

 細谷が区間賞も女王の京都 散る photo02 6区赤堀(左)が7区世古(右)にたすきを渡す=京都市の北白川別当町・第6中継所(写真部・田中秀樹) photo02 8区藤田(右)が9区竹山(左)にたすきをつなぐ=京都市の烏丸紫明・第8中継所(写真部・田中秀樹)
 3連覇を狙った京都は4区の山本、7区の細谷=静岡東中出=(ともに立命館宇治高)が区間賞を獲得したものの、やや安定感を欠いた。先頭から22秒遅れで出た最終9区の柳谷(ワコール)は区間2位の力走で3人を抜いたが、トップは遠かった。「個人的には仕事ができたが、欲を言えば優勝したかった。悔しさはある」と唇をかんだ。
 過去最多18度の優勝を誇るチームで、初出場ながらアンカーを担った。「大事な区間を任せていただき、感謝の気持ちでいっぱい」と語った。

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