平穏、豊穣 一矢に願い 森町・小国神社「御弓始祭」

 森町一宮の小国神社で17日、遠州に春の訪れを告げる神事「御弓始祭(おゆみはじめさい)」が執り行われた。大勢の参拝者が見守る中、1年の平穏無事や五穀豊穣(ほうじょう)の願いを込めて矢が放たれた。

平穏無事などを祈願して行われた御弓始祭=森町の小国神社
平穏無事などを祈願して行われた御弓始祭=森町の小国神社

 拝殿で祭典が行われ、静岡県内の弓道愛好者らが参列。弓矢に福が授けられた後、境内に設けた射場で武士装束姿の「地射手(ぢいて)」が30メートル先の的を目がけて矢を放った。見事に命中すると、観衆から拍手が起こった。
 30年にわたり大役を務めている同町の会社員藤田陽一さん(60)は「長い間、健康で役目を果たせていることをありがたく思う。今年も地域の繁栄などを祈りながら弓を引いた」と振り返った。
 同神社によると、御弓始祭は疫病の神を鎮める神事とされ、江戸時代以前から行われていたと伝わる。今年は県内の弓道愛好者が競射を行う「大弓会」が3年ぶりに開催された。

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