静岡人インタビュー「この人」 徳川家康と遠州のゆかりを紹介する書籍をまとめた 冨田泰弘さん(磐田市)

 磐田、袋井両市の郷土史研究団体「磐南文化協会」会員。鎌倉~江戸期に栄えた武家社会の歴史を中心に調査・研究に取り組む。昨年10月に初の著書「徳川家康公と磐田~遠州に見える天下人の足跡~」を自費出版した。磐田市職員。43歳。

冨田泰弘さん
冨田泰弘さん

 -歴史に興味を持ったきっかけは。
 「中学生の時に、祖父が浜松城公園に連れて行ってくれて興味を持つようになった。中学2年の夏休みには、友人と袋井市の久野城跡を訪れ、人の手で山を削り、土造りの城が築かれたことに感動を覚えた」
 ―なぜ家康の研究を書籍化したのか。
 「大河ドラマで家康が取り上げられることが決まり、過去の研究成果に加え、1年ほどかけて文献を読み直したり、史跡を再調査したりしてまとめた。歴史を学ぶことはまちづくりや人づくりにつながる。家康の足跡を今後の経済・観光や教育などに生かすヒントにしてほしい」
 ―どんな内容か。
 「桶狭間の戦い後に独立した家康が遠州に進出し、武田軍の侵攻を受けるなど苦難の時期を過ごしながら天下人に登りつめていく生きざまや、家康ゆかりの史跡、遺構などを紹介している。磐田は家康が遠州の進出の足がかりにしたほか、晩年に鷹狩りで度々訪れた中泉御殿があった。家康が大切にし、愛した土地だったと思う」
 ―今後、どんな活動に取り組むか。
 「市職員有志でつくるプロジェクトチームの一員として、家康ゆかりの歴史資源を交流人口拡大に生かす企画を打ち出したい。歴史を紹介するだけでなく、家康の遺産を経済発展などに最大限生かしていくことが最終目標」

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