富士市消防の救急出動 過去最多 22年速報値、臨時隊を初編成

 富士市消防本部は18日までに、2022年の救急統計と火災発生状況の速報値をまとめた。救急の出動件数が前年より1140件多い1万622件で、新市制施行以来で過去最多となった。初めて臨時救急隊を編成するなど、救急活動の逼迫(ひっぱく)が浮き彫りとなった。
 出動件数は、これまで最多だった19年の1万265件を超えた。救急車9台が全て出動する事態が何度もあり、さらなる出動要請に備えて各部署から隊員を集めて臨時隊が編成された。消防は、受け入れ可能な病院が見つからず1件あたりの所要時間が伸びたことが原因とみる。病院の照会に6回以上または30分以上かかった「救急受け入れ困難事案」は22年7~12月が205件で、前年同期比の約2・4倍だった。
 救急出動で増加した1140件のうち、958件が急病だった。新型コロナウイルスの濃厚接触者が自宅待機中に発熱し搬送した例が多かったという。
 出火件数は、65件(前年比12件増)で21年と同水準に戻った。内訳は建物が29件(同7件増)車両14件(同4件増)だった一方、建物焼損床面積は423平方メートルで過去最小を更新した。

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