移転構想を見直し 伊豆の国市郷土資料館 映像ホール利用再開へ

 伊豆の国市の山下正行市長は19日の定例記者会見で、市郷土資料館を大河ドラマ館が設置されていた韮山時代劇場映像ホールに移転する構想を見直すと明らかにした。映像ホール利用者の理解を得られなかったとしている。映像ホールは3月から一般の貸し出し利用を再開する。
 市郷土資料館は現在、大仁地区の市中央図書館2階にある。史跡巡りが目的の市内来訪者の周遊コースから外れていることや建物の構造上、夏季に高温になる環境面を考慮して大河ドラマ館閉館後の映像ホールに移転する計画だった。市内が盛り上がった大河ドラマのレガシー(遺産)として、郷土教育の充実や観光振興に活用する狙いがあった。
 市は昨年12月、移転構想に関する市民意見交換会を開催した。移転した場合の映像ホールの代替施設の説明もしたが、映像ホールの使い勝手の良さから利用する文化団体のメンバーを中心に反対意見が出た。
 山下市長は「移転すれば映像ホールの代替施設の改装も必要になり、強引に進めるべきではないと判断した」と見直しの理由を説明した上で、「郷土資料館の現在の場所、規模、環境は十分ではない。歴史のまち・伊豆の国をPRできる施設を設置できるようにしたい」と移転に向けた調査を継続する意向を示した。

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