記者コラム「清流」 本多忠勝奮闘の跡

 「家康に過ぎたるものが二つあり、唐(から)の頭に本多平八」。戦国好きなら1度は聞いたことがあるはず。愛用のかぶとと家臣の本多忠勝は、徳川家康にはもったいないほど立派との賛辞だ。
 磐田市を舞台に、武田軍の侵攻からの激しい撤退戦を繰り広げた「一言坂の戦い」で、しんがりとして奮闘した忠勝が敵方に言わしめたとされる。胸が躍るエピソードなのに、古戦場跡は石碑や説明看板があっても、当時の面影を感じにくいのがさみしい。
 大河ドラマ「どうする家康」が始まった。忠勝の活躍が描かれるかどうかは分からないが、ゆかりの地を売り込む好機だ。歴史資源は、ただそこにあるだけでは誘客にはつなげにくい。老若男女を引きつける見せ方や効果的な情報発信など、知恵を絞りたい。

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