記者コラム「清流」 「新成人」に代わる言葉は

 年が明けると、心浮き立つ取材が巡ってくる。振り袖姿で赤ちゃんを抱く女性、ドレッドヘアに金ピカの羽織はかまを着た男性、記念写真を撮る集団の隅で控えめにうれしそうにする人-。成人式に毎年足を運ぶと、互いに違う場所で、それぞれの人生を歩んでいる同級生を思い出す。
 コロナ禍が続く今年、湖西市でも無事に開催された。20歳という不思議なエネルギーや祝祭感を放つ「新成人」。18歳への成人年齢引き下げで、昨年まで使われていた「新成人」の文字は式から消えた。記事を書きながら、代わる表現がないかと頭をひねった。
 単なる「出席者」という表現は物足りないし、味気ない。長時間悩んだが、最適な言葉をひねり出せなかった。来年には、彼らにぴったりな言葉が生まれているだろうか。

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