記者コラム「清流」 街で遊ぶ

 静岡大の人文社会科学部と理学部は前身の旧制静岡高時代を含め2022年で創立100周年を迎えた。同高は1949年に同大に包括。校地は68年に静岡市葵区大岩本町から駿河区大谷に移転した。
 旧制静岡高出身の芥川賞作家吉行淳之介さんのエッセーに、在籍時の思い出に触れたくだりを見つけた。仲間と連れだって毎日のように街へ出かけ、酒を飲んだり映画を見たりしたという。
 記者は同大人文社会科学部を2年前に卒業した。学生時代を振り返ると、自分も周りの友人も「街で遊ぶ」という感覚は薄かった。大谷と静岡駅前は距離があったし、コロナ禍の影響も受けた。
 中心街での回遊はにぎわいに欠かせない。若者の流出が嘆かれる中、学生をどう街へ呼び込むかは重要な課題だ。

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