静岡人インタビュー「この人」 台風15号で県内支援をした日本カーシェアリング協会代表理事 吉沢武彦さん

 宮城県石巻市を拠点に全国の災害被災地で、車の無料貸し出し活動を行う。昨年9月の台風15号直後から静岡市を拠点に、浸水で自家用車を失った人や災害ごみの搬出でトラックを必要とする人たちなどを支援した。44歳。

吉沢武彦さん
吉沢武彦さん

 ―活動実績は。
 「10月から乗用車と軽トラックを延べ286件貸し出した。申し込みが殺到したが、ピーク時170人だった待機者は今はゼロ。貸し出し期間は2月28日までとしている。車の寄付を募ったところ、有志や中古車業界団体の協力で24台を譲り受けた。中古車需要が高い中で手放した思いに感謝が尽きない」
 ―静岡市の調査時の印象は。
 「清水区を最初に訪ね、住民の話を聞き、思っていたよりもひどいと感じた。自家用車が故障で動かなくなった地域は県内で広範にわたり、需要は相当高そうだ、車が相当不足しそうだと予想した」
 ―支援の輪をどう広げたか。
 「活動場所探しでは静岡市の地域デザインカレッジ修了生情報共有会議、他県から車を静岡に集約するための搬送作業では県災害ボランティア本部・情報センター、寄付者の登録では県行政書士会と、さまざまな場面で心強い協力を得た。協会の人数規模ではこのスピード感ではできなかった」
 ―協会の設立の経緯は。
 「2011年の東日本大震災でカーシェアリングをしたことが始まり。私が師と仰ぐボランティア活動家山田和尚さんの言葉『(波及可能な)ひな型を創れ』を体現するために兵庫県から宮城県に移り、新たな支え合いの仕組みとして石巻市から全国へ広げている。静岡県でも今後できる活動を考えていきたい」

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