鉄道高架「住民投票を」 沼津で識者2人が講演、対談

 JR沼津駅付近鉄道高架に関する講演会がこのほど、沼津市民文化センターで開かれた。地方財政学が専門の森裕之立命館大教授と同駅高架訴訟の代理人の海渡雄一弁護士が講演、対談に臨み、事業に対する懸念を示すとともに住民投票で市民の意思を問うべきと提案した。

対談する海渡弁護士(左)と森教授=沼津市民文化センター
対談する海渡弁護士(左)と森教授=沼津市民文化センター

 市の財政を調査する森教授は、現時点では市税収入が比較的多いのが同市の特徴とした上で「人口が減少し、今後は市税収入も減る。その中で鉄道高架が始まれば、その分財政の自由度が狭まる」と指摘した。同駅高架訴訟の代理人を務める海渡弁護士は3月に判決が予定される控訴審までの訴訟の経緯を説明した。
 対談では、大阪都構想に関する住民投票で反対の論陣を張った森教授が「住民投票となれば、賛成派、反対派双方が盛んに主張し合う。情報が増えることで、市民が正しい判断ができる」と強調。海渡弁護士は結果によっては「高架を中止した上で着工した貨物駅などの移転は行い、跡地利用を考える選択肢もある」と述べた。
 有志の沼津を変える講演会実行委員会が主催した。

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