パリ五輪新種目のブレイクダンス 熱い“バトル”で世界一目指す 磐田の14歳山田さん、全日本選手権に初出場

 2024年パリ五輪の新種目ブレイクダンスの日本代表入りを目指し、磐田市の磐田東中2年山田琵葉[ひよう]さんが、18、19日に都内で開催される全日本ブレイキン選手権に初出場する。五輪代表候補となる強化選手を決める国内最高峰の大会。14歳ながら「世界一になりたい」と大舞台での頂点を見据え、パリ行きを懸けた“バトル”に挑む。

ブレイクダンスでパリ五輪出場を目指す山田琵葉さん=1月下旬、浜松市中区
ブレイクダンスでパリ五輪出場を目指す山田琵葉さん=1月下旬、浜松市中区

 9歳からダンスを習っていた山田さんは、ブレイクダンスがパリ五輪の正式種目に選ばれたのを機に、本格的に競技に打ち込み始めた。中学入学と同時に浜松市中区のダンススタジオに入り、同市出身の元世界王者YU―YAさん(32)から指導を受ける。山田さんは「世界を知っている先生から学ぶことは多い。技術が高いだけでなく、レッスンに緊張感がある」と信頼を寄せる。
 週1回の休養日を除き、スタジオや自宅などで毎日3~9時間の練習に励み、ダンス漬けの日々を送る。YU―YAさんは「世界一になりたいとの向上心が誰よりも強い。人一倍努力できる才能がある。ここ数カ月で一気に成長し、まだまだ伸びしろも大きい」と太鼓判を押す。
 山田さんの強みは、柔軟性と力強さを生かしたアクロバティックな技とぴたりと動きを止めてポーズを決めるフリーズ。山田さんは「苦手のフットワークを改善し、メンタルも強くしたい。うまい選手より、強い選手になる」と現状に満足しない。
 22年の主要大会で好成績を残し、女子オープン(一般)の年間ポイントランキングで4位に入り、全日本への出場権を勝ち取った。出場資格は08年12月31日以前に生まれた選手。同年12月18日生まれの山田さんは、ぎりぎりで五輪への道が開けた。「有名な選手がたくさんいる中で、たぶん最年少になるけれど、気持ちでは負けない。自分の力を120%出し、支えてくれる人たちに結果で恩返しがしたい」。期待の新星は闘志をみなぎらせている。

 ブレイクダンス 1970年代に米ニューヨークで生まれたとされるストリートダンスの一種。正式種目となったパリ五輪では、1対1でダンスを披露し合って勝敗を決める「バトル」形式で行われる。立って踊る「トップロック」、床に手をついてステップを踏む「フットワーク」、アクロバティックに動く「パワームーブ」、音に合わせて体を止める「フリーズ」の四つの要素で、技術や表現力を競う。海外では「ブレイキン」とも呼ばれ、日本は強豪国として注目を集める。

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