熱海・伊豆山 消防団詰め所解体へ 新たな拠点模索
2021年7月に発生した熱海市伊豆山の大規模土石流で被災した市消防団第四分団の詰め所の解体工事が1日、始まった。初日は足場や幕に囲まれた建物に資機材が運び込まれた。市は新たな詰め所の建設場所を同分団の意見を聞きながら検討している。
土石流が流れ下った場所に立つ詰め所は、鉄筋コンクリート造り地上3階、地下1階建て。市によると、解体工事は3月中旬までに完了する予定。解体費は約1200万円。
土石流の際、詰め所は大量の土砂をかぶり、ポンプ車が廃車になるなど甚大な被害を受けた。そんな中、団員は命がけで住民の避難誘導に当たった。外壁に残った泥の跡や割れた窓ガラスは当時のすさまじい状況を物語っていた。
第四分団は現在、元の詰め所から約500メートル離れた国道135号沿いの仮の詰め所を拠点に活動している。ただ、市消防本部から配備されている代替のポンプ車の駐車場から離れているため、出動時に不便を強いられているという。
第四分団に30年近く所属している松本早人さん(47)は「火災の際に急いで集まったり、訓練の後にみんなで語り合ったりした思い出の場所なので、やはりさみしい。しっかり出動できる新たな拠点をなるべく早く提供してほしい」と望んだ。