超勤・多忙の教員 給特法から議論 「残業代」の概念希薄 「法廃止・見直しを」 静岡市葵区で学習会

 静岡県立の高校と特別支援学校の教職員による労働組合「県高校しょうがい児学校ユニオン」(高橋康一郎執行委員長)は4日、教員の超勤・多忙の解消を考える学習会を静岡市葵区で開いた。労務管理や教育関係法に詳しい第二東京弁護士会の北村智弘弁護士(39)が「教職員給与特別措置法(給特法)」をテーマに講演した。

教員の超勤・多忙の解消について話し合う参加者ら=静岡市葵区
教員の超勤・多忙の解消について話し合う参加者ら=静岡市葵区

 給特法は1971年に制定された。月額給料の4%の「教職調整額」を支払う代わりに、教員に時間外・休日勤務手当を支給しないことなどを規定している。
 北村弁護士は連合総研の2022年のデータで、公立学校教員の1カ月の時間外勤務は過労死ライン(80時間)を超え、平均約123時間だったと紹介。給特法によって「残業代」の概念が希薄で管理職に超勤・多忙改善の意識が生まれず、時間外勤務は基本的に「自主的な行為」とみなされていることなどを指摘した。
 参加した組合員約10人からは「会議などに追われ、休憩時間が取れない」と切実な声が上がった。北村弁護士は「給特法の廃止・抜本的見直しに加え、地域や保護者の理解を得ながら業務削減、教員定数改善を進めていくことが必要」とした。

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