記者コラム「清流」 多くの教訓

 浜松市天竜区佐久間町の原田橋の崩落事故から1月31日で8年が経過した。市職員2人の尊い命が失われた事故で、安全対策や地元住民とのコミュニケーションなど多くの教訓が見つかった。
 崩落したエリアは元々、土砂が崩れやすい斜面がそばにある。斜面から石が転がって車に当たるトラブルは頻繁にあった。転がる石が前兆だった。わずかなきっかけでも危険を察知し、対策を講じる必要性があった。
 新たな橋を架ける際は、地元住民が「もっと下流に架けて」と意見していたがかなわず、事故で元の原田橋とともに崩れた。現在の橋は今、地元住民が望んだ位置に建てられている。
 教訓のある事故だが取材を通して風化を感じた。伝承の動きが出てきてほしい。(水窪支局・大沢諒)

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