難聴児の支援 早期介入重要 豪州の専門家講演

 静岡県乳幼児聴覚支援センターは4日、難聴児の早期支援の先進地であるオーストラリアから療育専門家を招いた講演会を静岡市葵区の県立総合病院で開いた。

難聴児支援において早期介入の重要性を説くダニエル・ラムさん=静岡市葵区の県立総合病院
難聴児支援において早期介入の重要性を説くダニエル・ラムさん=静岡市葵区の県立総合病院

 難聴児専門のリハビリテーション施設「シェパードセンター」の職員で言語病理学者のダニエル・ラムさんは、難聴児が健聴児と同程度の音声言語能力を獲得するために「早期介入し、通常の発育ペースに沿って成長することが重要」と強調した。
 言語発達の臨界期とされる0~3歳を逃すことなく「聴くことを通じて言語と読み書きの発達の基礎を促すことが必要」と説明。オーストラリアでは各機関が連携して早期発見と診断、人工内耳や補聴器の早期装用を進め、同センターは生後6カ月までに難聴児や家族に対する療育サービスを提供しているという。
 同センターが用意する多彩なプログラムは「聴いて話すこと」に重点を置く。ラムさんは「地域社会とつながり、生活の質を高めることは大切。コミュニケーションが取れるようになった子どもは自分の声で周囲に力を与えることができる」と話した。
 講演会はオンラインも併用し、医療や教育、行政関係者ら約230人が参加した。

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