静岡人インタビュー「この人」 バタフライガーデンの統括責任者 高瀬文江さん(富士宮市)
芝川ギフチョウ保護の会が富士宮市下柚野の興徳寺敷地内につくったバタフライガーデン。きっかけは地元中学生から「アサギマダラを柚野に呼びたい」と相談を受けたこと。昨年5月からガーデンを37区画に分けて、手入れに参加する市民らの有志(区画オーナー)とチョウが集まる庭づくりに励む。同会の会計担当。72歳。
-1年目の感触は。
「びっくりするほどたくさんの人がガーデンに遊びに来てくれた。保育園が遊びのフィールドに使ってくれたこともうれしい。ギフチョウの広報活動にもつなげられた。自然観察の入り口になったな、という感触がある。成功の理由は想定を超える約70人もの有志が区画オーナーに参加してくれたことと思う」
-活動の中で驚いたことは。
「アサギマダラが産卵し、幼虫になるまで観察できた。最大約200頭のチョウが飛来した日があり、珍しいとされるアサギマダラの雌もたくさん来た。安倍川以東で目撃例がほとんどないイシガケチョウも発見し、楽しい思いもさせてもらった」
-今後の意気込みを。
「癒やしを求める人たちがほっとできる場所をつくること。今年は昆虫たちが冬越しできる小屋『バグホテル』作りに挑戦してみたい。多くの人が柚野を好きになって、来て良かったと言ってもらえる場所にしたい」
-「柚野の里」の魅力は。
「ゆったりと時間が流れる場所。情報や物があふれる時代だからこそ何も無い良さが見直されている。原点のような暮らしがぜいたく。以前、柚野中に在籍した先生がガーデンに参加してくれた。離れても柚野とつながっていたいと思う人がいるのはありがたい。その人たちのためにもすてきな場所を残したい」