「東海道の美」屏風や絵画で 日比野氏(掛川市二の丸美術館館長)が記念講演 静岡市美術館企画展

 江戸時代の東海道を描いた屏風(びょうぶ)や名家に残された人気絵師の作品を集めた企画展「東海道の美 駿河への旅」(静岡新聞社・静岡放送など主催)が11日、静岡市葵区の市美術館で始まった。開幕を記念して掛川市二の丸美術館の日比野秀男館長が講演し、東海道の行き来を描いた作品群を見比べ、名所や宿場をはじめとしたモチーフの傾向を探った。

掛川市二の丸美術館の日比野館長を迎えた「東海道の美 駿河への旅」展の講演会=静岡市葵区の市美術館
掛川市二の丸美術館の日比野館長を迎えた「東海道の美 駿河への旅」展の講演会=静岡市葵区の市美術館

 3月7日からの後期に展示する奈良県立美術館蔵「東海道往来図屏風」は「人々の生活と山水・風景が一緒に描かれている。人物が一人一人全部異なっているところに(技術の)難しさを感じる」と見どころを紹介した。静岡市蔵「東海道図屏風(マッケンジー本)」については朝鮮通信使の一行に着目。「ラッパのような物を吹く人や、馬上で居眠りしているように見える人もいる。途方もない行列の長さから、いかに大きなイベントだったか分かる」と解説した。
 富士山の「描写のされ方」にも言及し、物語の背景▽信仰の対象▽名所-に類型化した。「『富士山が画面のどこにあるか』に注目した上で、好きな作品を選んで帰ろう」と展覧会を楽しく観覧する手法を指南した。
 約60人が聴講した。展覧会は3月26日まで。月曜休館。

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