消防団員ら語る 東日本大震災経験「災害はいつでも起こりうる」 伊豆の国

 伊豆の国市消防団は12日、東日本大震災で被災した岩手県釜石市の消防団と建設会社の関係者を招いた防災講演会を伊豆の国市のアクシスかつらぎで開いた。消防団員や建設業関係者らが聴講し、防災意識を高めた。

東日本大震災の経験を語った前川さん(左)と青木さん=伊豆の国市のアクシスかつらぎ
東日本大震災の経験を語った前川さん(左)と青木さん=伊豆の国市のアクシスかつらぎ

 釜石市消防団に所属する会社員前川智克さん(44)と青紀土木(同市)の青木健一社長が登壇した。地震発生直後の救助活動の様子や地域の状況、復旧に向けた道路啓開の取り組みなどを動画や写真を使いながら説明した。
 前川さんは救助活動の最中に津波にのまれて一時意識を失った経験を語った。奇跡的に助かり、5日間飲まず食わずで救助活動にあたった。別々に避難した家族と再会できたのは3カ月後だったという。
 経験を通じて実感した重要事項として「災害はいつでも起こりうる」「最低限の知識と意識を持つ」「絶対に災害を甘く見ない」の3点を挙げた。前川さんは「地元を知る消防団は頼りにされるが、活動は絶対に無理をしないで」と呼びかけた。
 復旧活動にあたった青木社長は「効果的な復旧方法があっても地形や被災状況が違えば自分の地域に当てはまるとは限らない」と柔軟な考え方を持つ必要性を指摘。静岡を含む全国からの支援に感謝し「被災の経験を共有して地域の暮らしを良くするのに役立ててほしい」と期待した。

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