南アルプス魅力探求 静岡で学会第1回シンポ、研究者ら議論

 静岡県や研究機関で構成し、南アルプスの自然環境や生物多様性の研究を進める「南アルプス学会」(佐藤洋一郎会長)は19日、第1回シンポジウムを静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアムで開いた。山岳ファンや行政関係者ら約60人が参加し、南アルプスに関する多彩なテーマで議論した。

南アルプス研究についてパネルディスカッションを行う増沢武弘静岡大名誉教授ら=19日午後、静岡市駿河区
南アルプス研究についてパネルディスカッションを行う増沢武弘静岡大名誉教授ら=19日午後、静岡市駿河区

 同学会顧問の増沢武弘静岡大名誉教授が基調講演を行い、南アルプスにのみ生息するキタダケソウなどの高山植物がどのように環境に適応しているかを解説した。県などが行った調査で、昆虫の新種や固有種が発見された事例なども紹介された。
 静岡市の田嶋太環境局長らも参加したパネル討論では、地球温暖化が動植物にもたらす懸念などが指摘された。若い世代の研究者に向けては「自然に関心を持つ人たちに南アルプスの魅力をいかに面白く伝えていけるかが探求活動の出発点」などと期待を込めた。
 同学会は2022年2月に設立。シンポでは23年度から研究活動への助成制度が整備されたことも発表した。

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