3市議が反対討論 浜松市行政区再編、条例案可決 市民の不安訴え

 浜松市が進める行政区再編は22日の市議会2月定例会本会議で関連条例案が賛成多数で可決され、2024年1月1日から現行7区が3区に再編されることが正式に決まった。出席議員の8割以上が賛成した一方で、3会派の3人が反対討論を行って市民の間に残る根強い不安を訴えた。

行政区再編の区割と区役所などの位置
行政区再編の区割と区役所などの位置

 起立採決の結果、賛成37、反対6(2人欠席)だった。反対は共産党市議団4人と1人会派の鈴木恵氏、自民党浜松の波多野亘氏。
 反対討論で鈴木氏は「4年前の住民投票では賛否が拮抗(きっこう)したが、その後に市民の意思を聞く機会がなく、納得を得られたのか疑問だ」と主張した。波多野氏は「区長の機能や住民自治の議論が不十分」と述べ、共産党の酒井豊実氏は「12市町村合併時の協定に反していて住民サービス低下の懸念もある」と指摘した。賛成討論はなかった。
 再編により、同市は中央区(現在の中、東、西、南区と北区三方原地区)、浜名区(浜北区と北区の大部分)、天竜区(現行のまま)の3区になる。市は事務作業の集約、区長や選挙管理委員の削減などで年間約6億5千万円の経費節減効果を見込む。その一部を使って地域課題に取り組むコミュニティ担当職員を拡充し、住民自治の機能を高めると説明している。
 同市の行政区再編は市長の諮問機関「行財政改革推進審議会」から「区が多すぎる」との指摘を受けた鈴木康友市長が、11年の市長選で公約に掲げた。19年の住民投票では区再編に「賛成」50・8%、「反対」49・2%と、意見が二分された。市議会でも賛否が割れていたが、特別委員会で60回以上の議論を重ね、最終的には大多数が再編推進に回る結果となった。

市民への説明 今後も
 鈴木康友市長の話 2期目のマニフェストで掲げてから10年を超える歳月をかけて条例案が可決され、感無量。二人三脚で進めてきた市議、そして市民に感謝申し上げたい。区が再編されても、問題なく住民サービスが提供されると市民に実感してもらえることが大事。説明を繰り返し、(条例施行日の)来年1月1日に備えていくことが肝心だ。

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