バスケットボール 7選手と指揮官が途中退団、再出発 シャンソン完敗

 バスケットボール女子Wリーグは25日、神奈川県の平塚総合体育館などで行われ、22日に李玉慈前監督と選手7人の退団を公表したシャンソン化粧品は64-104で富士通に敗れた。通算成績は10勝9敗。

富士通との試合後、ファンにあいさつするシャンソンの選手。7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦は完敗ながら7人で最後まで走り切った=平塚総合体育館
富士通との試合後、ファンにあいさつするシャンソンの選手。7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦は完敗ながら7人で最後まで走り切った=平塚総合体育館
7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦でシャンソンにエールを送ったファン=平塚総合体育館
7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦でシャンソンにエールを送ったファン=平塚総合体育館
富士通との試合後、ファンにあいさつするシャンソンの選手。7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦は完敗ながら7人で最後まで走り切った=平塚総合体育館
7選手と李玉慈前監督の退団発表後、初のリーグ戦でシャンソンにエールを送ったファン=平塚総合体育館

 シャンソンは20本の3点シュートを被弾するなど今季最多失点を喫した。第1クオーター(Q)に7本を決められ19-31。第2Q中盤までにパレイ紀子が内角で得点を重ねて一時は3点差に迫ったが、後半は守備が機能しなかった。

富士通(32) 104(31―19 15―19 28―15 30―11)64 シャンソン化粧品(29)

 ■今季最多失点も前向く
 日本代表クラスを含む7選手と李玉慈前監督がシーズン途中に退団する異常事態に揺れるシャンソン。公表後初のリーグ戦で光明を見いだしたかったが、富士通に今季最多失点を許す厳しい結果となった。ただ、選手は下を向いてはいない。主将小池は「人数が少なくても一人一人の役割は同じ。前を向けている」と強調した。
 大量退団に故障者も重なり現状でプレーできるのは7人だけ。体力面の不安に加え、精神面の負担も拭えない状況だが、鵜沢新監督は「『みんなやるだけだよね。バスケを頑張ろう』と伝えてきた」。試合は後半、一方的にリードを広げられたが、最後までボールに食らい付き、終了間際には知名が3点プレーを決めるなど40分間走り切った。
 レギュラーシーズンは残り7試合。プレーオフ圏内(8位以内)死守へ一戦一戦の比重はさらに大きくなる。チームに動揺がないわけではないだろう。吉田は試合後、日本代表で親交が深い富士通の宮沢に励まされたことに話が及ぶと涙を浮かべる場面もあった。ただ、「自分の仕事はシュートを打つことだけ」と言い切る。前代未聞の苦境を乗り越えられるか-。リーグ優勝16度の名門が正念場に立たされている。

 ■苦境のチームにエール
 選手・監督の大量退団を公表した直後のリーグ戦は県外開催にもかかわらず多くのファンがシャンソンにエールを送った。
 埼玉県の会社員青島正弥さん(37)は静岡市駿河区出身。昨年末から選手の欠場が続く状況を心配していた。「まさかという思いだが、今の選手には頑張ってほしいし、抜けた選手もまた活躍してほしい」と試合を見つめた。東京都の会社員村井康浩さん(53)は30年来のファン。「昨年のベスト4はうれしかった。チームを応援する気持ちは変わらない」と話した。
 試合後、報道陣の取材に応じたシャンソンの杉山明宏部長は「退団は(7選手や李玉慈前監督と)しっかり話し合った結果」としながらも詳細な説明を避けた。シーズン終了後にあらためて説明の機会を設けるかどうかも未定という。ファンに対しては「今日も多くの方が訪れてくれた。勝ち星を挙げる姿を見せていきたい」と述べた。

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