記者コラム「清流」 立派でないモデル

 昨年から今年にかけて、若年女性の県外への流出について地域の皆さんと意見交換する機会があった。そこで大学生などから多く聞かれたのが「静岡には働く女性のロールモデルがいないと感じる」という声だった。
 この地で20年以上働き続けてきた身としては、「夢も希望も見せられていない」と申し訳ない思いで聞いた。だが、同席した組織マネジメントの専門家によると、ロールモデルは「必ずしも立派である必要はなく、たくさんあるほどよい」という。
 確かに「自分にもできそう」と思えるモデルも必要かもしれない。「あんなふうにはなれない人」にはなりようもないが、「ああはなりたくない人」に陥らない範囲で、自分なりに努力を続けよう-と一人考えた。
(生活報道部・西條朋子)

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