核廃絶訴え平和行進 ビキニ事件69年、焼津 久保山さん悼み4年ぶり
1954年に米国が太平洋ビキニ環礁で実施した水爆実験で焼津港所属の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」など多くの漁船や現地住民が被ばくした「ビキニ事件」から69年を迎えた1日、焼津市内で核兵器廃絶を訴える平和行進が4年ぶりに行われた。
原水爆禁止県協議会などでつくる実行委員会の呼びかけで、JR焼津駅前には県内外から平和団体関係者らが集まった。参加者は核兵器廃絶を訴える横断幕や旗を掲げながら、被ばく半年後に亡くなった第五福竜丸元無線長・久保山愛吉さんの墓がある同市浜当目の弘徳院を目指して歩いた。
核兵器を巡っては、ウクライナに侵攻したロシアが使用をちらつかせ、国際情勢に緊張をもたらしている。国連の「核兵器禁止条約」が発効されたが、日本は署名していない。行進に参加した県原水爆被害者の会の石原洋輔さん(77)=浜松市東区=は核を脅しに使うロシアの姿勢を厳しく批判し、「日本も核兵器禁止条約に参加して、核を使わない世界作りに率先して取り組むべきだ」と訴えた。