保育現場の虐待どう防ぐ 富士宮で研修 小さな兆候見逃さず対応を

 富士宮市は1日、静岡県内外で相次ぎ発覚した不適切保育の未然防止研修会を保育施設責任者ら向けに同市総合福祉会館で開いた。裾野市の私立さくら保育園の立て直しアドバイザーを務める子ども総合研究所(東京都)の新保庄三代表は、虐待を園内で早期発見し深刻化を防ぐ仕組みの構築を呼びかけた。

新保さん(左)の話に耳を傾ける保育施設長ら=富士宮市総合福祉会館
新保さん(左)の話に耳を傾ける保育施設長ら=富士宮市総合福祉会館

 新保さんは完璧に安全といえる保育現場はないとしたうえで、虐待など危険の小さな兆候を見逃さず対応する環境の重要性を強調した。
 市内の29施設長らは園内で子どもたちに危険が迫った体験を共有した。園内のルールを保護者に周知し相互に守ることを確認した。
 社会問題化するほど深刻になるまで対策が取られなかった事例について新保さんは、初期対処の遅さを指摘した。園側が通報者の背景を探るなどして調査の着手までに時間がかかり、通報者との信頼関係を損ねる場合が多いという。「初期対処は難しく、失敗することの方が多い。肝心なのは失敗が分かったらすぐに素直に謝り改善すること」と参加者に伝えた。

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